アッパーカットを腕だけで打っていませんか?
アッパーカットは、腕を下から振り上げるだけではなく、身体の回旋や股関節の動き、下半身から生まれる上下の力を使うことで、よりスムーズで力強い動作になります。
今回は、アッパーカットのビギナー編で紹介した基本フォームをさらに一歩進め、身体の連動を使ったアッパーカットの打ち方を解説します。
特に重要なのが「回旋」と「上下」の使い分けです。
目次
アッパーカットは「回旋+上下」が基本
アッパーカットでは、身体を横方向に回す「回旋動作」と、下から上へ力を伝える「上下の動き」を組み合わせることがあります。
ただし、すべてのアッパーカットで大きく上下するわけではありません。
プログラムの動きやカウント、スピードによっては、回旋動作を中心に行う場合もあります。
まずは、
回旋だけで打つアッパー
回旋+上下で打つアッパー
この2つの違いを理解しておきましょう。
回旋を使ったアッパーカット
足を横にした状態でアッパーカットを行う場合、身体の回旋を使って拳を動かすことができます。
このとき意識したいのが、背骨の中でも胸のあたりにある胸椎の回旋です。
足を必要以上に動かさず、身体の中心を安定させながら胸椎を回旋させ、その動きに合わせて拳を動かしていきます。
お腹周りは軽く力を入れて安定させ、身体の中心を保ちながら回旋することを意識してみましょう。
足を加えるとさらに大きな動きになる
ここに足の動きを加えることで、より大きなアッパーカットにつなげることができます。
ただし、速い連続アッパーでは大きく足を使うと動作が間に合わなくなることがあります。
そのため、実際の格闘技エクササイズでは、プログラムやテンポに合わせて足の動きを調整することが大切です。
「大きく動けば正解」ではなく、動作の目的やスピードに合わせて身体の使い方を変えることを覚えておきましょう。
「上下の動き」を加えるとアッパーが変わる
1本1本しっかり打つアッパーカットや、同じ手で連続して打つ場合には、回旋に加えて上下の動きを使うことで、より力強い動作を作ることができます。
ここで重要になるのが股関節です。
下半身から生まれた力を股関節、腰、上半身へとつなげ、その力を拳まで伝えていきます。
単純に腕を下から上へ振るのではなく、
股関節を曲げる → 伸ばす → 身体を回旋させる → 拳へ力を伝える
という流れを意識してみましょう。
股関節を使う感覚を身につける
身体の連動を練習する場合は、まずパンチを打たずに股関節の動きを確認してみるのもおすすめです。
股関節を曲げて身体を少し下げ、そこから伸ばします。
そこに腕の動きを加え、最後に肘を曲げてアッパーカットの軌道を作っていきます。
このように段階的に動きを組み合わせることで、
下半身 → 股関節 → 体幹 → 腕 → 拳
という身体の連動を感じやすくなります。
ショートアッパーでは上下の動きが分かりやすい
前の手で打つショートアッパーを連続して行う場合、回旋だけを使う場合と、上下の動きを加えた場合では、動きが大きく変わります。
回旋だけなら比較的コンパクトな動作になりますが、股関節の曲げ伸ばしを加えることで、下から上へ身体全体が動くアッパーカットになります。
上下の動きを使うことで、パンチの威力だけでなく、身体を大きく使うことによる運動効果も高めやすくなります。
ただし、動作を大きくしすぎるとスピードが落ちることもあります。
「上下を使う=毎回大きく沈み込む」ではないということも覚えておきましょう。
アッパーカットで背骨を意識する
アッパーカットの身体の使い方を考えるとき、腕や肩だけに意識を向けるのではなく、身体の中心にある背骨の動きにも注目してみましょう。
特に回旋では、胸椎を中心とした身体の回転を意識することで、腕だけに頼らない動作につながります。
「腕を動かす」のではなく、
身体が回る → その動きに腕がついてくる
というイメージを持つと、アッパーカットの感覚をつかみやすくなります。
ガードを維持することも重要
身体の連動を意識すると、ついパンチを打つことばかりに集中してしまいます。
しかし、基本となるガードも忘れてはいけません。
打っていない側の手をしっかりガード位置に残すことで、身体を必要以上に大きく動かさず、安定したフォームを作りやすくなります。
アッパーカットを練習するときは、
「身体を使う」+「ガードを残す」
この2つをセットで意識してみてください。
アッパーカットは「前足重心」が基本
アッパーカットでは、重心の位置も重要なポイントです。
基本的には、前の手で打つ場合も後ろの手で打つ場合も、前足重心を意識します。
ここはフックとは少し考え方が異なるポイントです。
後ろの手で打つからといって、後ろ足に体重を乗せるわけではありません。
アッパーカットでは前足側に重心を置き、そこから身体を使って拳へ力を伝えていきます。
膝よりも「お尻」を意識する
前足重心を作ろうとすると、膝だけを前に出してしまうことがあります。
そこで意識したいのが、お尻と股関節です。
膝を無理に前へ出すのではなく、お尻を意識しながら股関節を使うことで、前足に重心を乗せやすくなります。
アッパーカットで下半身を使うときは、
前足重心+股関節+お尻
を意識してみましょう。
手打ちになっていないかチェックしよう
アッパーカットを打ったときに、腕だけが大きく動いていないでしょうか?
身体の回転がなく、股関節も動かず、腕だけで拳を振り上げている場合は「手打ち」になっている可能性があります。
そんなときは、いきなり強く打とうとするのではなく、
- ガードを維持する
- 胸椎の回旋を意識する
- 股関節を曲げ伸ばす
- 前足に重心を置く
- 腕は身体の動きについてくる
という順番で確認してみましょう。
アッパーカットの身体の使い方をまとめると
今回のポイントをまとめると、次のようになります。
- 回旋だけで打つ場合と、上下を加える場合を使い分ける
- 胸椎の回旋を意識して身体の中心から動く
- 股関節の曲げ伸ばしで下半身の力を使う
- ガードを維持してフォームを安定させる
- 基本は前足重心で打つ
- 膝だけではなく、お尻と股関節を意識する
- 腕だけで振り上げず、身体全体の連動で拳へ力を伝える
アッパーカットは、腕の動きだけを覚える段階から、身体全体を連動させる段階へ進むことで、動きの質が大きく変わってきます。
まずはゆっくりと動きながら、**「回旋」「股関節」「上下」「前足重心」**の4つを意識してみてください。
そして、実際の格闘技エクササイズでは、プログラムやカウントに合わせて、身体の動きを大きくしたりコンパクトにしたりすることも重要です。
アッパーカットを「腕で打つパンチ」から「身体全体で動くパンチ」へ変えていきましょう。







