問題発生時の対応でアドバイスは有効に働かない?

なにか問題が発生してしまった時に、その当事者に対してアドバイスをするものの、なかなか上手くいかない時ってないでしょうか?

実は問題発生時の対応でアドバイスをしようと思っても、有効ではない理由があるのです。

問題発生時の対応でアドバイスが有効に働くのは3割

なにか予想だにしない問題が発生している時、周りに人にとっては助けてあげたいという気持ちから、アドバイスをしてあげたくなります。

しかし統計的にアドバイスが有効なのは3割となっています。

逆を考えると70%はアドバイスをしても効果がないという結果になります。

あくまでも個人差はありますが、それだけ問題発生時のアドバイスは有効ではないということが分かります。

では、なぜ問題発生時のアドバイスは有効ではないのでしょうか?

問題発生時のアドバイスが有効ではない理由と解決策は?

問題が発生してしまっている時というのは当事者は焦っている状態になります。

問題が発生しているということは、当事者にとっては予想をしていなかった事態にもなっています。

では当事者はどんな状況でしょうか?

そしてどんな解決策があるでしょうか?

①当たり前に見えていたものが見えていない

結構多いのが、視野が狭くなってしまい今まで当たり前に見えていたものが全く見えなくなっている状態です。

周りからすると当たり前に見えている物が、当事者には全く見えていないため、どれだけアドバイスをしても前には進めないのです。

当事者は見失っている状態になっています。

もしその状態でアドバイスをするのであれば、当事者が視野が狭くなって当たり前の物が見えていない前提でアドバイスをする必要があります。

②アドバイスを求めていない

これも結構多いのですが、問題が発生してしまった時に当事者は自分の力でなんとかしようと頑張っている場合もあります。

その時は当然視野も狭くなり、周りとしてはアドバイスをしてあげたいと思うのですが、当事者は自分で解決する方法を考えているため、アドバイスは求めていないこともあります。

アドバイスを求めていないのに、アドバイスをされた場合、人によっては拒否をしてしまい反対の行動をとってしまうこともあるのです。

それは意識的にやる人おいれば、無意識で反対の行動をしてしまうこともあります。

そういった時の対応としては、まずは当事者がアドバイスが必要になるまで待つことです。

もちろん、問題の状況によって他にも大きな迷惑がかかってしまったりする場合は、そんなことを言ってる場合ではありませんが、育成などの目的であれば、待つということも大切です。

またアドバイスをする側は、そのアドバイスが

当事者のためのアドバイスなのか、

自分の欲求を満たすためのアドバイスなのか

も自分自身で一度考えてから行動してみるといいです。

自分の欲求を満たすためのアドバイスの場合、余計当事者にとっては必要のないアドバイスとなります。

③アドバイスの難易度が違う

これは上司から部下にアドバイスをする時に起こることですが、アドバイスの内容がアドバイス者にはできる内容でも、当事者にはできる方法でない場合があります。

アドバイス者にとっての当たり前も、当事者にとっては当たり前ではない場合もあります。

当事者のレベルに合わせてアドバイスをすることが必要となります。

④過去の問題に対するアドバイス

なにか問題が発生した時に、アドバイスをしているが、そのアドバイスはもうすでに過去のことについてのアドバイスであることがあります。

これはスポーツの現場でよくあることなのですが、試合中にミスをしたことに対してアドバイスをするパターンです。

練習や練習試合で選手の育成であったり気づきを促す目的では有効な場合もありますが、勝つことが目的の本番の試合でも、同様にアドバイスをしてしまう場合があります。

試合中はミスをしたとしても、その時にはもうすでに次の局面になっています。

そこで過去のミスについてのアドバイスを続けても、反省を促すだけで、結果にはつながりにくくなるのです。

アドバイス者が視点が狭くなってしまっている場合に起こることが多くあります。

これはアドバイスがダメという訳ではなく、その時の目的に合ったアドバイスをしていくことが大切ということになります。

アドバイスのまとめ

アドバイスを有効にしていくには、当事者がどんな状況であるのかをしっかりと理解して、実行していくことが大切になります。

当事者だけでなく、アドバイス者もついつい自分だけの視点になってしまうと、余計アドバイスは有効に働かなくなってしまいます。

また、状況によっては『待つ』という選択肢も必要となります。

アドバイスをする前に一度立ち止まって考えてみるといいと思います。