マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱した「成功循環モデル」というものがあります。
組織が成功をする時の循環モデルというもので、下記のイメージとなります。
これは会社組織だけに限らず、スポーツチーム、友人関係、親子関係など、様々な人間関係で成り立つことになります。
結果を出さなくてはいけない立場であったり環境にいる人にとって、ついつい関係性の優先順位を低くしがちになります。
また、関係性は大切だとわかっていながらも日々のやることに追われてなかなか関係性に割く時間が取れないという人もいるのではないでしょうか。
しかし、忙しいからこそ関係性が大切であったり、結果が必要だからこそ関係性の優先順位を上げるべきなのです。
今回はそんな関係性についてまとめました。
結果を先に求めてしまう
会社組織でもスポーツチームでも、最終的に結果を残さなくてはいけないので、ついつい最初から結果を求めてしまうことがあります。
スポーツチームを例にしてみると分かりやすいのですが、関係性を無視して結果(勝ち)ばかりを求めた結果、最終的には選手が怪我をしてしまったり、チームや崩壊をしてしまったり、選手自身がスポーツをすることの目的を見失い、結果につながらなくなります。
また運営側も決して関係性を無視したいわけではなく、結果を出さなくてはいけないというプレッシャーや責任の影響もあり、視点が狭くなってしまいます。
そして結果としてチームが勝てなくなるという悪循環になります。
会社組織でも同様のことがあり、売上や利益を上げることはもちろん大切なことではあるのですが、そこだけ(結果)に目が向いてしまい、働いている人達との関係性の優先順位を下げてしまうことあります。
その結果、働いている人達が疲弊してしまい、常に不満の状態で働いていたり、場合によってはメンタルに支障がでてしまい、最終的には退職などで組織が回らなくなるなんてこともあります。
その結果、組織を回すことに一杯いっぱいになっていつまでたっても、悪循環から抜け出せないといったケースもあります。
緊急ではないけれど重要な『関係性』
人間関係などは、ある程度まで崩れてからではないと、なかなかその重要性には気づきにくいものです。
『重要ではあるけれど緊急ではない』と考えてしまいがちで、ついつい『緊急で重要なこと』を日々こなしてしまうのです。
しかし、それこそがまさにバッドサイクルとなり、一時的な結果だけを求めて日々いくら頑張っても常に忙しいという状態をつくってしまいます。
そして日々忙しいからこそ、全員の視野も狭くなり、狭い世界での物事の判断になってしまい、新たな思考や行動につながらなくなります。
その結果チャレンジすることを遠ざけて、変化を求めない無難な選択肢を選びやすくなってしまいます。
チームや組織としては発展のない状態となります。
関係性に目を向けよう
ではなぜ関係性を重要視しないで結果ばかりに目が向いてしまうのでしょうか?
やはり関係性の質を高めるのには時間がかかり、またすぐに結果につながりにくいという部分があります。
ある1日に関係性について意識をしたからといって、目に見えて何かか変化を起こすわけでもなく、また何か結果がすぐに変わるわけでもありません。
関係性は日々のちょっとした継続的な積み重ねが大切になります。
その日々の積み重ねがいつ結果につながるのかは、わかりません。
結構早く結果になる場合もあれば、1年や2年以上と時間がかかることもあります。
しかし、関係性が大切になるのです。
同じことを言っているのに反応が違う!
関係性のわかりやすい例としては、同じことを言っているのに人によって感じ方が違ってくることはないでしょうか?
例えば仕事やスポーツで何か指摘をされたときに、Aさんに言われると素直に改善しようと思うのに、Bさんに言われると反発したくなって逆のことをしたくなる。
褒められた時にもAさんに言われると心から嬉しいのに、Bさんに言われると裏があるんじゃないかと感じてしまう。
これも全て日々の関係性から来ています。
言い方や表情もあるかもしれませんが、やはり日頃からどれだけの関係性が築けているかによって、同じことを言っていても受け取る側の反応は真逆にもなります。
そうなればもちろんAさんの方が仕事はやりやすいですし、Bさんはやりにくいですよね。
関係性の質まとめ
今回は関係性についてまとめました。
関係性が変れば思考の質の変わる
思考の質が変われば行動の質が変わる
行動の質が変われば結果の質も変わる
そして関係性は更に良くなる。
重要ではあるけれど緊急ではないからこそ、日々の中でどこか時間をつくって『関係性の質』を高めるための取り組みをしてみてはいかがでしょうか?